ここ数週間で、弊社管理の販売サイトと店名やデザインが酷似した販売サイトが報告されています。
それが発覚したのは、
「指定された口座に代金を振り込んだけれど、商品が届かない!」
といったクレームが、同名店舗を運営している弊社に何件も寄せられたためです。
おかしい、と考えて調査した結果、類似サイトの存在が明るみになりました。
■模倣されたサイトについて
模倣されたのは、こちら「ティファール専門店」です。
http://www.tfal.cookwares.jp/
そして、本日現在で確認されている模倣サイトです。
(他にも何サイトもあるかもしれませんが、確認しきれません)
http://www.cookwaresshop.com/
http://www.tfalcooker.com/
2つのサイトを見比べますと、デザインや内容が非常に似通っています。似通っているというか、ほぼ一緒です。店名まで一緒です。せめて少し変えるとかしてくれればいいのに、本当に迷惑千万です。
どうやら、弊社サイトの画像とHTMLファイルを丸ごと抜き取って、自分たちの仕様にところどころ変えて使用しているようで、こちらで作成したソースがまるまる残っていました。CMSのための弊社独自の記述が残っているので、たまたま一致したという言い訳は通用しません。
模倣、とやんわり表現しましたが、直截的に言えば「パクリ」です。
■間違い探し
まずはトップページから。弊社サイトの当該ページはこのようになっています。
(画像クリックで拡大します)
右上にはお支払い方法とフリーダイヤル表記があり、配送やお支払いのご案内、画像には表示しきれていませんが、ページ下部にはSSL暗号化通信の証明書へのリンクもあります。
左上の割引表記にご注目ください。当店では、最大で23%OFFと謳っています。
では次に、パクリサイトのほうをご覧ください。
はい、そっくりですね。しかし、ところどころが違っています。
お支払い方法とフリーダイヤル表記が消え、「高品質保証」とあります。商品を送りもしないのに、何を保証しているというのでしょうか。
配送やお支払いの案内ページもありません。ベリサインマークはありましたが、クリックするとトップページへ戻ります。どうやらこのパクリサイト、SSL暗号化通信というものを全く理解できていないようです。
左上には「40%OFF」の表記があります。この割引率、ネット上のどの店舗と比較しても相当に安い、それこそ儲けなんて出ないんじゃないかと思えるくらいの水準です。
1円でも安い商品を求める人は、これにころっと引っかかるんでしょうね。
次は商品ページ。まずは弊社管理サイトから。
ちなみにこのテキストも画像下部の説明画像も、私が独自に作成したものであり、同一の内容が使われているということはすなわち、私のサイトから無断で借用した蓋然性が高い、ということになります。
それでは、パクリサイトのほうをご覧ください。
はい、この通り。文言も画像も全く一緒です。私は他サイトに転載の許可などした記憶がありませんから、著作権侵害にもなっています。
検索結果に出て来られると迷惑なので、Googleに検索インデックスから削除してもらうよう要請済みです。
おそらく今後も同様のパクリ行為を繰り返されるでしょうが、その都度検索に出てこないように処理してもらえばいいだけです。そのうち、同一ドメイン取得者のサイトを検索エンジンから締め出してくれることでしょう。
と、このように、パッと見ただけでは違いがわかりませんが、よくよく見てみるとおかしな点が幾つもあります。
ひとつめは、先に述べましたが、配送方法や決済方法の記述が一切無いこと。
販売店を運営する上でこの案内は必須とも言える要素です。商品の価格の次に、お客様が気にされる内容ですからね。購入から何営業日後に発送するだとか、どこの運送業者を利用しているとか、決済方法は何が利用できるかといった情報は、欠かすべからざるものなのです。
それが無い、ということはすなわち、商品を送るつもりがないということを示唆しています。送るつもりが無いのだから、案内する必要もないというわけです。
ちなみに、寄せられたクレームによれば、個人名義の口座を支払先に指定されたそうです。これもありえませんね。運営会社がちゃんとあるのに。
ふたつめは、その運営会社の情報がそもそもデタラメということ。
上に挙げた2つのサイトのうち、ひとつめのほう(所在地が大阪のほう)は確定的でしょう。
住所を検索すると、確かにビルは存在しますが、入居しているのは全く違う会社です。
電話番号についても、これまたぜんぜん違う会社で使われているFAXの番号でした。
ふたつめのサイトについては実際に電話を掛けてみましたが、誰もでません。住所検索をしてみたら、住宅地のどまんなかでした。
会社名はどちらも、責任者の苗字に「株式会社」を付けただけのやっつけ仕事。資本金も従業員数も適当な数字を並べているだけでしょうね。50人を超える従業員が働けるだけのスペースが、この所在地の建物にあるとは考えづらいです。
みっつめは、このページです。
http://www.cookwaresshop.com/conditions.html
何の利用規約なんでしょうね、これ。
少なくともネットショップを利用する消費者向けの文章には到底見えません。
おまけに日本語が不自然です。まるで、自動翻訳を通したようです。
そう思って、このサイトのドメイン所有者を調べてみたら、中国の上海に行き着きました。
なるほど、中国人ですか。確かに、ネットで情報を漁ってみると、中国系のサイトによるトラブルが続発しているようです。
加害者が国外となると、司法権の問題から刑事事件として取り扱うことはできず、民事的な交渉も非常にやりにくくなり、最終的には泣き寝入り、となってしまうようです。
■自衛のための注意喚起
ネット上では、ブランド品を中心に、同様の手口が広がりを見せています。
お金を振り込んでも商品が届かない、あるいは、粗悪なコピー品や全く異なる商品が送られてきた、という事例も報告されています。
これらに共通しているのは、以下の項目です。
●販売価格が他店舗に比べて異常に安い
相場よりも大幅に安い有名ブランド商品は、特に注意が必要です。
楽天やamazonと比較しても格段に安いようなら要注意でしょう。
●一部のテキストの記述が不自然な日本語
上に述べた通りです。明らかに日本語が不自由な文章には注意が必要です。
●決済方法が銀行振込や郵便振替のみ
しかるべき審査が必要なクレジットやコンビニ決済、運送会社との契約が必要な代引きと異なり、銀行口座やゆうちょ口座は簡単に作成することができます。
●会社名、所在地、電話番号がデタラメ
上にも述べた通り、屋号が「株式会社+苗字(ないしは苗字+株式会社)」になってるものや、創業年の割に資本金、従業員数が異常に多い会社は疑ってかかったほうが賢明です。
確証が得られなかったら、住所や電話番号で検索をかけてみるのも手です。よその会社の情報が出てきたら、まずクロで間違いないでしょう。
●ところどころ、リンクが不自然
カートの中身を確認するリンクなのに、商品一覧が出てくる。
SSL暗号化通信の証明書へのリンクがトップページになっている。
1ヶ所や2ヶ所の間違いであればケアレスミスとも考えられますが、それが数カ所にも渡るとなると意図的にリンクを変えていると考えるのが自然です。
●配送方法が表記されていない(一部のサイト)
発送する必要が無いのだから、案内する必要もない、というところでしょうか。
配送や送料についての詳細が全く無いサイトの場合は、代金を振り込んでも商品が送られてこない可能性が高いです。
裏を返せば、このようなサイトに出会ったらひとつひとつを検証していけば、被害を未然に防ぐことも可能、というわけです。
安さを求める心理につけこんだ悪質な手口から自分を守ってくれるのは、他ならない自分自身の心がけなのです。
■それでも被害にあってしまったら?
弊社にもこのパクリサイトで注文してお金を振り込んだが商品が届かない、という苦情が相次いでいると冒頭で述べましたが、あいにく弊社はパクリサイトを利用したことによる不具合や不利益に関しては、一切の責任を負わないというスタンスを取っております。
実際に被害に遭われた場合は、警察などの捜査機関や消費者向けの相談窓口へご相談されてみてはいかがでしょうか。
◇注意喚起を促しているwebサイト・webページ
都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧
http://goo.gl/ZbuK3
JADMA(日本通信販売協会)通販110番(窓口あり)
http://goo.gl/CzCrIz
国民生活センター「インターネットトラブル」
http://goo.gl/wZv9A
インターネットホットライン連絡協議会「ネットショッピングトラブルについて」
http://goo.gl/HjSFFg